行動経済学の話をしたら予想外の展開で焦った
こんにちは!
wagaco塾長、中村です!
うちは基本的にはニュー個別指導ですが。
今年は志望校が同じ中3生が複数いたので。
昨日はみんなの時間をまとめて授業をしました。
みんなが共通してできなかった問題を取り上げて。
知識を授けて、後は自分で考える。
近くで同学年の仲間が、同じ問題を解いているということで。
いつもより集中していました。
さて、三者面談の時期ということもあって。
その数学の授業の前には、ちょっと受験に役立ちそうな話をしました。
「人間って、将来の得を過小評価しがちな生き物だから、将来の得より、目の前の得を選びがち。」
「土日に、マンガとかゲームとかしたくなるやろうけど、今はグッとこらえて、将来の得を選ぼう。」
ということを伝えたくて。
以下の話を用意していました。
<準備した話(想定した流れ)>
僕:「今すぐ1万円もらえる」のと、「1年後の今日に1.5万円もらえる」のは、どっちがいい?
生徒達:「今すぐ1万円もらえる」
僕:「普通はそうやんね。俺もそうやもん。嫁もそう言うてた。なんでやろ?」
生徒達:「来年会えるかわからんから。」「忘れてるかもしれんから。」「地球が滅びてるかもしれんから。」
僕:「そうやんな。で、これは有名な行動経済学の話やねん。人間は合理的に行動できるか?考えさせられる話やねん。」
(同時に"合理的"の意味も再確認)
僕:「じゃあこの"今すぐ1万円"と"1年後の今日1.5万円"って、どうやったら合理的に比べられるやろう?」
(意見を聞く)
僕:「うん、色々な考え方あるよね。一番いいのは、今すぐもらった1万円が、来年の今頃にどうなってるか?それを比べればわかりやすいようね。じゃあ今すぐもらった1万円を来年の今まで、確実に安全に残して比べるには、どんな方法があるかな?」
(意見を聞く)
僕:「そう。銀行やんね。家やと泥棒とか火事とかあるかもしらんけど、銀行やと安心。ちなみに銀行はもし潰れても1千万円までは国がなんとかしてくれるしね。ところで安心以外に銀行のメリットって何があるやろ?」
(意見を聞く)
僕:「そう。利息やんね。利息って知ってるよね?預けたらちょっとだけ増えて返ってくる。ところで話はそれるけど、銀行ってなんで利息つけてくれるん?預けた分より多く返ってきたら銀行潰れるんちゃうん?どうやって儲けてるん?」
(と、今後公民で習う銀行を、予習)
僕:「話を戻そう。銀行は利息くれるよね。今普通の銀行って、利息何%か知ってる?年0.1%やねん。じゃあ今1万円を預けたら、1年後どうなってるやろ?」
(ここで金利の計算を再確認)
僕:「そう。利息はたった10円やねん。来年の今頃は10010円になってる。じゃあ最初に戻ろう。"今すぐ1万円もらう"のと"来年の今1.5万円もらう"のって、どっちが合理的かな?」
(意見聞く)
僕:「そうやねん、来年の1.5万円やんな。確かに何があるかわかれへんけど、地球滅びる確率なんかめっちゃ低いやん。でも、ここまでわかってもやっぱり"今すぐ1万円"の方が良くない?俺もそうやし、嫁もそうやって言ってた。人間って合理的に判断できへんもんやね。将来の得を過小評価するように、できてるんやって。」
僕:「ところで、今の俺らにとっての問題は。土日やねん。"今すぐマンガやゲームで楽しくなる"か"来年の今、志望校の高校生活を楽しむ"か。どっちが合理的やろ?」
(意見聞く)
僕:「そうやんね。合理的なんは"来年の志望校での高校生活"。でもしたくなるのは"今すぐマンガやゲーム"。将来の得を過小評価しちゃうから。でも俺らは今知ったんやから、選ぶことができるよね。合理的な方を選んでいこう。頑張っていこう!」
…
という流れを想定していたのですが。
いざ、この話をし始めると、予想していなかったことが。。。
最初の「"今すぐの1万円"と"来年の今の1.5万円"どっち?」の質問に。
全員が「"来年の今の1.5万円"!」と合理的な選択をしたのです。
焦りました笑
一人くらいは合理的な選択をすることは予想してましたが。
まさか全員は想定してませんでしたから。
詳しく意見を聞きながら、何とか伝えたいことは、最後まで伝えました。
「みんな既に合理的な選択はできてるから、今週の土日も合理的にいけるやんな。」と。
うまく?まとまりました。
ちなみに「なぜ"来年の1.5万円"がいい?」と聞くと。
「どうせ、今1万円もらっても遊べんから。」
「高校に入ったら、何かとお金いるやろうし、それなら高校入ってから多くもらえる方がいい。」
とのことでした。
なるほどです。
それが中学生の今のリアルな生活ですもんね。
大人の尺度で判断したり、思い込んだりしたらダメですね。
普段から生徒さんのコトを理解しよう理解しようと努めてはいますが。
まだまだです笑
また1つ勉強になりました☆