「●●で▲▲に合格!」も要注意

こんにちは!
wagaco塾長の中村です!!

前回の記事: 塾の裏側「この講習が必要です」に要注意でも紹介しました。
興味深い記事があり、思うことがあったので、その続きです。

「塾通いしても学力が伸びない子」の落とし穴【塾講師が解説】

今回は、

小学生で英検2級…“検定合格を目指す指導”の本末転倒

に注目します。

まず初めに。
この「●●で▲▲に合格!」という表現は、僕も使っています。

やっぱり「惹き」が強いからです。
「すごい塾だ!」って思ってもらいやすいし、実際それでお問合せ頂くことも少なくありません。

ただこの記事内でも言われているとおり、資格試験の合格実績には注意が必要です。

そういう検定試験で小学生をどうやって合格させるかというと、「4行ぐらいの英文の質問ならば、ラスト2つのコンマに答えがある」といったことを教えます。英文を理解させるのではなく、完全にテクニックだけで点数を稼ぐのです。こんな指導法で検定合格を勝ち取ることに、意味があるとは思えません。 私自身は、こういうテクニック優先の英語指導、試験対策としての英語教育には、強い疑問を抱いています。

さすがに英検2級レベルになると「テクニックだけで合格」は難しいです。
ある程度、英文読めないと厳しい。

その反面、

「1問目だから第1段落から、同じ単語を探す。そのままじゃなくて似た意味の単語に言い換えられている選択肢が正解の可能性高い。」

のようなテクニックがあることも事実です。

「早く合格するために、本質的な力を伸ばす勉強がおろそかになる。」

というのは、僕の塾でもよく起こる葛藤です。

生徒さんには合格してほしい。
でも本質的な力もつけて欲しい。

実際1か月後に英検があります。
僕の塾からも何人か受けます。

余裕で合格ライン突破している子もいれば。
ギリギリ合格ラインの子もいます。

合格ライン突破している子は、本質的な力がつく勉強ができます。
例えば、「日本語に直さずに英語のまま意味を理解していく練習」などです。

ギリギリラインの子は、どうするか?
僕の塾では、1か月前くらいにハッキリと伝えるようにしておきます。

「これから1か月は、合格のためにテクニックも使った勉強もする。英検はお金もかかるし。でも試験後、重要な部分を一緒に復習しよね。合格できたとしても、次の級いかずに、もう一回この級の勉強するけど、大事なコトやから嫌がらないでね。」

のような感じです。

そしてこの話は、紹介したリンク記事の3つ目にもつながります。

小4の壁を無視して続けた結果、数学でつまずく子も?

数検も、英検と似たようなことが言えます。

数学には、大きく2種類の問題があります。

1つは、「パターンに反応して解く問題」
もう1つは、「自分の知っているコトを組み合わせて解く思考問題」

です。

数検(特に1次試験)では、パターンが活きてきます。
2次試験でも、まあまあパターンでいけます。

だからパターンさえつかめれば、中学生のうちに高校レベルの準2級や2級を受かることも可能です。

でも、僕はあまりオススメしていません。

実際、中2で数検3級合格した子がいました。

続けて準2級を希望して、ちょこっと一緒に勉強を始めましたが。
中3になり「中学数学の難しい目の問題」に取り組むよう、方向転換しました。

今後の数学力を考えたときに、「いずれ高校に入れば身につけることになるパターン学習」よりも。
今しかできない、数学の応用力を伸ばす」ことの方が、はるかに有益だからです。

本人にも両方を伝えて、どっちが良いか選んでもらいました。
「数検準2級をやめて、数学の応用力を伸ばす」ことを選んだので、数検対策はやめました。

リンク先記事内でも、このような話が紹介されています。

そのようなプリント塾では、小学校低学年から計算を徹底的に繰り返します。とにかく速く解くことが良しとされ、複雑な計算も途中式を書かず、すばやく解答するのが美しいと指導されます。小学生でも、なかには高校生が解くような複雑な計算をすらすらと解答する子もいます。 ただ、小学校の算数はある程度優れた計算で乗り切れますが、小学4年生から抽象的思考が、中学に入って数学となると論理的思考力が求められるようになり、それだけでは徐々に太刀打ちできなくなります。しかし、プリント塾で鍛えられてきた子たちは「なぜそうなるのか」と論理を追って考える習慣がありません。途中式も書きませんから、実力テストで間違えても、どこでどう間違ったのかの理由も分からないのです。 こういう形にはまった機械的な解き方が身についてしまうと、それをあとから修正するのは実はとても大変です。中1の春に入塾してきたある生徒は、そうしたこれまでのやり方を修正するのに8ヵ月もかかりました。

「資格試験に合格!」

は、わかりやすいし、キャッチーです。
でも「資格試験対策に最適化しすぎる」と、本当の実力はつきません。

大学入試まで役立つような本当の実力をつけたいなら。

「合格は特に急いでいません。本質的な力がつくように、資格試験対策をして頂くことは可能ですか?」

のように、塾に聞いてみて下さい。

きっと塾の先生も、根っこにある教育心が刺激されて、メラメラやる気になります。

その結果、「合格ライン余裕突破!」できる実力が、気付けば身についているかもしれません。

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