読解力をつけるために「AIに負けない子どもを育てる」
こんにちは!
wagaco塾長の中村です!!
1ヶ月前に「我が子がAI(人口知能)に仕事を奪われないために」という記事を書きました。
新井紀子さん著の「AI vs 教科書が読めない子どもたち」の書評です。
前著では、「AIの弱点は、意味を理解できないこと」とわかりました。
だからこそ、AIにできない読解力を伸ばすことが、人間にとって大切。
という話でした。
そして今回はその続編。
「AIに負けない子どもを育てる」です。
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内容は「どうすれば読解力を伸ばせるか?」ということで、読む前からかなり期待していたのですが。
最初は正直、ちょっと期待外れでした。
というのも前半は、読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の紹介が多かったからです。
もちろん「読解力とは?」ということを一度も考えたことがなければ、新鮮かもしれませんが。
ただ僕としては、「どうすれば読解力を伸ばせるか?」にもっと紙面をさいてほしかったです。
だからこそ9章「意味がわかって読む子どもに育てるために」は面白かったです。
「何を心がければいいか?」を時期別に、具体的に提案してくれています。
・五感で外部世界を実体験する
・大人達の言葉シャワーをあびせる
・ジックリ一人で考える時間を作らせる
・ドリルをさせすぎない
・暗記の乗り切るテストをさせすぎない
・音読、読書を奨励する
など、他にもたくさん納得できることがありました。
そしてITの必要性をほとんど感じていないことにも、共感できました。
著者の新井さんは、「ロボットは東大に入れるか」というAIプロジェクトを、主導したにもかかわらずです。
今、AIが本当にブームです。
僕自身も勉強しています。
でも読解力を伸ばすために使えることは、それほどありません。
もちろん「ドリル暗記型」学習には、かなり使えます。
AIに「できる/できない」を判定してもらい、自動で繰り返しさせれば、知識は身についていきます。
ただ大学入試改革でも問題になっているとおり、今のAIに記述の採点はできません。
・何を、考えたのか?
・なぜ、そうしたのか?
・どのように、答えにたどりつくか?
そのプロセスはAIではなく、先生にしか見ることができません。
AIで効率よく必要知識を身につけて。
その知識を使って、ジックリ考えて、先生とのやりとりの中で思考を深めていく。
それがこれから必要な教育の形なのかな、と思いました。
期待外れなんて言っちゃいましたが。
そんな考えに至れただけでも財産です。
読んで良かったです!