ここでは「生徒さんのやる気や能力を、最大限に引き出すためのコミュニケーションの心がけ」を紹介しております。

生徒さんに力はあります。
それを引き出してあげるのが、僕たち講師の仕事です。

そのために、生徒さんが「自主的に動きたくなるようなコミュニケーション」を心がけています。

もちろんコミュニケーションに絶対的な法則はありません。
短期で結果が出るものでもありません。
塾長や講師自身、全て完璧にできているわけでもありません。

だからこそ講師と共有して、日々心がけています。
毎日研究と実践を重ね、より良いものへと改善していきます。

【モチベーションを上げるコミュニケーションの大原則】

・人を操る、動かすことはできない。本音で話し合える関係を作る。

・評価しない。上下関係ではなく、協力して前進する横並びの関係。

・最終決定は生徒さん。相談しながら、筋トレのように少しずつ負荷を上げていく。

◎ 信頼を構築する。

・操るためのテクニックではなく、一人の人間として心からつながる。

・誠実にする。言動と行動を一致させる。

・自分自身が行動実践し、背中を見せる。

・誤りは誠意を持って謝罪する。

・メッセージを伝える前に、まず心のつながりを作る。目線は下にする。

・命令「~しろ」はダメ。少なくとも提案「~するのはどう?」や依頼「~してくれない?」の形。

・主語はYouではなく、Iにする。自分の気持ちを伝えると、心が動きやすい。「(あなたは)~しちゃだめ!」ではなく、「~してるのを見ると、(私は)悲しくなる。」

・できるだけ時間にゆとりを持った環境を作る。時間のゆとりがない状況で、コミュニケーションの問題が発生する。

◎ まず理解する。診断する前に処方しようとする医者はヤブ医者。

・名前を呼ぶ。目を見る。体を開く(腕組、足組などをしない)。

・いきなり教えるのではなく、まず観察する。

・沈黙を大切にする。沈黙の間は相手の気持ちに思いをはせる。どうしても答えが出ないなら次の話題にいく。

・質問に答えにくそうなときは、「Yes / No」「3択」など、選ぶだけの質問をして、掘り下げていく。答える気がないのではなく、本人もよくわかっていないコトを答えるのは難しい。引き出してあげる。「なんでもいいから、答えて。」ではなく、「答えにくそうだから、質問変えるね。どれに当てはまるか選んでね。」

・ラベルを貼らない。自分の価値観で勝手に評価しない。

・自分のペースで聞くと事情聴取。相手のペースで聞くと傾聴。

・自分自身も、素の自分を見せる。

・できるだけ質問する。考えを口に出してもらう。

・相手の価値観を理解し、尊重する。

・相手の話のキーワードを繰り返す、自分の言葉で言い換える、感情を言葉にする。そうすることで本当に相手のことを理解できているか確認する。

・「ん?」を思う違和感のある行動には責める気持ちをゼロにして「何をしようとしているの?」「どういう気持ちだったの?」「もっと詳しく聞かせて。」その行動を理解しようとする。

◎ 挑戦と失敗を大歓迎する。

・能力を褒めない。能力を褒めると、できない自分を避けるため難しい問題を無視することもある。努力を褒める。

・完璧な人間などいない。大切なのはミスをどう立て直せるか?能力のせいではなく、やり方や計画に問題があったと伝える。

・ナイスチャレンジ!うまくいかない方法がわかった!次は別の方法を試そう!

・成功も失敗も大きな意味はある。何もしないことは何の意味もない。ことを伝える。

・まず1つ武器を作る。自信につながる。

・ミスを責めない。ストップする。どうすれば良かったか一緒に考える。再チャレンジする。できたら共に喜ぶ。

・命令ではなく、提案やお願いする。命令に従わせていると、指示がないと動けない人間になる。「~しなさい。」ではなく、「~したら、…につながるから良いと思うけど、どうかな?」「~してくれたら助かるけど、いいかな?」

◎ 能力はある。最大限に引き出してあげる。

・自分自身や他人と約束をし、シッカリと果たす。小さい約束から始めて鍛えていく。

・一人の成功を、みんなで祝福する。

・「できない」のではなく、「やり方を知らない」か「練習をしていない」か「今日たまたまやっていない」のどれか。

・全ての生徒に、程よく高い基準を与え、温かくサポートする

・結果よりもプロセスに焦点を当てる

・常に欲しい結果を意識しながら学ぶ

・思い込みで成績が下がる研究結果がある。自分自身に悪いレッテルを貼らないように導く。

・脳は筋肉のように使えば鍛えられる事実を紹介する。神経回路網に新たな結合が生まれ、脳の性能がアップする。

・緊急時以外は指示しない。質問し、考えてもらい、答えを導き出してもらう。

・結果を共に検証して、改善のアイデアを出させて、また結果を見て検証する。

・質問されても答えを与えない。ヒントを与えて導き出させるか、調べさせて後で教えてもらうか、一緒に調べる。

・最悪、最後の答えだけでも自分に出させる。うまくいけば一緒に喜びを共有する。

・魚を与えるのではなく、魚釣りを教える。

◎前向きな気持ちで勉強してもらう

・「なぜできない?」「何度言えばわかる?」「ハァ…(ためいき)」など、否定的な発言や態度をせず、「どうすればできそう?」「何か手伝えることある?」と協力を申し出る。

・叱るよりも、「邪魔したものは何?」「どうすれば次できそう?」と、改善の方法に焦点を当てる。叱られた本人は、「感情に任せて怒られている」と判断する場合がほとんど。

・よく観察し、良い点を見つけ、惜しみなくドンドン伝える。

・できないことを改善してければ、できている瞬間を見つけ、その時に伝える。1秒もガマンできない子はいない。「今ガマンできてたね!」50点のテストは「たった50点しか取れていない」のではなく「あと50点で満点」。「できない」と指摘すると、「できない自分」がすりこまれていく。

・「●●してくれてありがとう。」具体的な内容とともに感謝を伝える。

・「●●が役立っていたね。」具体的な内容とともに貢献を伝える。

・「頑張れ」ではなく「頑張ってるね。」「その調子だね。」「応援してる。」

・「目標達成したベストの自分」をイメージしてもらう。「ベストな自分ならどんな姿勢で勉強するか?」「どんな日曜を過ごすのか?」など、聞かせてもらう。

・原因よりも、目的に注目する。他人から「なぜ?」と言われたら、責められた気持ちになる。「どうして、できないの?」ではなく、「どうすれば、できそう?」

・他人との比較ではなく、その子の成長を伝える。他人と比較しても、いつか何かで必ず負けるから、良い気分になることはない。「~さんより点数高いなんて、すごいね。」「前回より高い点数になってるね。」

◎ 感情をコントロールできるようになってもらう

・自分の今の動きが、「とっさの反応」なのか「考えた行動」なのかを自覚してもらう。

・「自分が変えられるコトと変えられないコトがある」こと、「変えられないコトに注力してもしんどい」こと、「変えられるコトは広げられる」こと、を自覚してもらう。

・努力したくない原因を一緒に探る。努力は才能がない人がやるという思い込み。努力すれば遊ぶ時間がなくなるという思い込み。化けの皮がはがれる恐れ。(努力しなければ”やればできる子”のままでいられる)などがある。

・誘惑は避けるのではなく、上手に付き合うことが大切と伝える。

・結果がすぐに出ず停滞する時期(プラトー)が必ず訪れることを、前もって一緒に覚悟と共有しておく。

・いいemotion感情はいいmotion動きから生まれることを、知っておいてもらう。姿勢や習慣で、学びが速くなる。

・メタ認知(自分の行動、感情の動き方、反応の仕方を、客観的に見つめること)の大切さを伝える。