我が子がAI(人工知能)に仕事を奪われないために

こんにちは!
wagaco塾長の中村です!!

 

ここでは成長に役立ちそうなことを。
塾長自身が忘れないようにメモしていきます。

 

今回は、「AI vs 教科書が読めない子どもたち / 著: 新井紀子」です。
ベストセラーになった本ですね、ようやく読めました。

 

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AI vs.教科書が読めない子どもたち [ 新井 紀子 ]
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僕自身、ディープラーニングを中心に機械学習を勉強しており、AI(人工知能)には、人一倍興味があります。

 

実際に、音楽生成や文章生成もしてみて、「やっぱりAIすごい!」と思う反面、「使いもんにならんな…」と思うことも多々あります。

 

この本を読んで、「AIは何がすごいか?何が苦手か?」が、より明確になりました。

 

これからの時代を生きる子を持つ保護者の方には、なんならお子様自身も、絶対に読んでほしい一冊です。
AIに仕事を奪われないためにも。。。

 

「AIは、何ができるのか?」
機械学習を勉強し始めた時、

 

「こりゃすごい。何でもできる。人間の時代は終わったな。」
と思いました。

 

AIは、クイズ王に勝つは、プロ棋士に勝つは、東大目指す東ロボ君がMARCHレベルの偏差値を獲得するは…
(ちなみにこの本の著者は、東ロボプロジェクトの方で、その後が詳細に描かれています。)

 

「人間の時代は終わり。仕事どうしよ…」
と不安だらけになりました。
AIはホント何でも、できちゃいそう。

 

ただ、そんな幻想を抱きつつ、実際に自分で機械に学習させてみると、「あれ?」となることがほとんどです。
もちろんそれは、趣味程度でしか学んでいない僕のやることですから、精度が低いのは当たり前です。

 

が、著者の新井さん自身も断言しています。

 

AIが人間を超えることは、自分達や子の世代が生きているうちは、ありえない。

 

その理由は、AIとは「数学に根差した計算機」だからです。
四則演算をベースにして、論理的に、確率的に、統計的に、表現することができます。

 

ただ、僕達が住んでいる世界は、「論理、確率、統計だけ」で表せるわけではありません。

 

「僕は”妻を”愛している」と「僕は”生徒を”愛している」は、意味的に同じではないですが。
今のAIは、同じだととらえます。

 

人間世界というものを、全て数学で表現できれば、AIが人間を超えることがあるかもしれませんが。
すぐには難しいでしょう。

 

とはいえ、「論理と確率と統計だけ」ですむ分野では、もうAIが活躍しています。
病院での放射線画像診断など、人間にとって過酷な仕事を、AIが代わりにやっています。

 

そしてAIが活躍できる分野は、日々広がっています。
保険業者、銀行の窓口、荷物の発送と受取係など、「なくなる仕事」がたくさん予想されています

 

多くの人が仕事を奪われる可能性があります。
仕事を奪われないためには、AIが得意なフィールドで勝負しないこと。

 

AIが苦手なコトを人間が伸ばして、AIを活用すればいいです。
では、AIの弱点は何か?
著者の新井さんは言います。

 

・ 万個教えられてようやく一を学ぶこと
・ 応用が利かないこと、柔軟性がないこと
・ 決められた(限定された)フレーム(枠組み)の中でしか計算処理できないこと

などです。

 

データを与えられて、それを学習して、論理と確率と統計で99.9%の精度で返すことは得意ですが。

 

「意味を理解して、柔軟に対応して、応用して」与えられた100を101で返すことが苦手です。

 

著者の新井さんは言います。

 

ですから、その反対の、一を聞いて十を知る能力や応用力、柔軟性、フレームに囚われない発想力などを備えていれば、AI恐るるに足らず、ということになります。

 

人間は、「意味を理解し、柔軟に対応し、応用し、」100を101で返せる生き物です。
「相手に共感し、相手が喜ぶことをして、お互い笑顔になる」ことができる生き物です。

 

AIの弱点は、「意味や意義を、理解できないこと」です。
新井さんも、こう言ってます。

 

では、AIに代替されない人材とはどのような能力を持った人なのでしょう。
それは意味を理解する能力です。(中略)
AIは意味を理解しないからです。

 

だからこそ、この本では後半にかけて、教科書が読めない、読解力の話につながります。

 

読解力がない。
意味がわからなくても、正解できればよい。
これまでの学校教育のあり方に、危機感を覚えています。

 

では読解力を伸ばすには、どうすればいいか?
新井さんは、こう言います。

 

残念ながらそれを解明する科学的な研究は今のところありません。
もし、今回の本を「数学者が考案!!世界初のAIに基づく読解力向上法」と銘打って、
「こういうドリルをすれば、こういうことをすれば、あなたの読解力は劇的に向上します」というものにしたならば、
とても売れるに違いありません。
ドリルを作ってタイアップで売ったら何億円も儲けられたかもしれません。

 

確かに、僕はすぐ買います笑
続きます。

 

でも、ごめんなさい。私はそんなことはしません。
科学的に検証されてもいないことを「処方箋」として出版するほど倫理観は欠如していません。

 

ただ、新井さんはこうも言ってます。

 

私は個人的な体験から、読解力はいくつになっても向上するという仮説を持っています。

 

僕もそう思います。
「科学的に証明されてはいない」かもしれないけど、読解力をつけることができることを、経験的にわかっています。

 

自分自身がセンター現代文(大学入試改革前な!)で、相当に鍛えられましたし。
自塾の生徒さんが、少しずつ「文章を読んで、適切に答える」ようになるのを、目の当たりにしているからです。

 

最初は、字数制限などからパズル的に当てはめて、すっとんきょうな答えをしていた生徒さんが。
自分の言葉で考えて答える問題も、バッチリ正解できるようになる姿を、実際に見ています。

 

ので、読解力は鍛えられる派です、絶対に。
簡単には読めない文章を、寄り添って励ましながら、読破するお手伝いをする。
そうすれば、少しずつ向上していきます。

 

だからこそ小学1年生とも、読解プリントをしています。
「正解する」こと以上に、「意味を読み取ること」を重視しながら。

 

この本の続編「AIに負けない子どもを育てる」では、読解力アップの実践法が紹介されているようです。
早く読みたいです。

 

読んだらまた、報告いたします。

 

コメント

  1. […] 1ヶ月前に「我が子がAI(人口知能)に仕事を奪われないために」という記事を書きました。 新井紀子さん著の「AI vs 教科書が読めない子どもたち」の書評です。 […]

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